Q.相続人全員が納得している場合、遺言の内容と異なった遺産分割を行ってもいいのでしょうか?

【質問】

相続人全員が納得している場合、遺言の内容と異なった遺産分割を行なってもいいのでしょうか?

【回答】

相続人全員の同意がございましたら遺言書の内容とは異なった遺産分割協議を行うことはできます。
 
ただ、遺言執行者がいる場合には遺言執行者の同意が必要となります。

【解説】

遺言は遺言者の最後の意思を残された相続人に対して想いを残すものですので、なるべくならその意思をできるだけ尊重してあげたいものですが、遺言の内容によっては思いもよらない相続トラブルに発展する恐れがございます。
 
こちら例を挙げてご紹介致します。
 
夫と妻と子供3人の計5人の家庭で、妻は生前に遺言書を書いておりましたが、妻は遺言書の内容を家族には話していませんでした。

その後、妻が亡くなった際「相続財産をすべて配偶者の夫に相続する」という遺言書の内容を見て子供たちは納得することができませんでした。
 
実は長男、長女にはそれぞれ金銭的に困っている状態で、母親の相続財産を期待していたのです。

例で挙げたようなことで相続が「争続」となり、相続人同士で揉めてしまうことが問題となっております。
 
では、上記例のような遺言書に従わずに遺産分割を行う方法ですが、夫は「遺贈」を放棄すれば遺言の効力は失われますので、「相続財産をすべて配偶者の夫に相続する」という内容は無効となります。
 
「夫は遺贈…」と紹介致しましたがこの「遺贈」とは「遺言によって遺言者の財産の全部または一部を贈与すること」の意味です。

これは、妻が夫に「相続財産をすべて配偶者の夫に相続する」という「遺言」を使って相続財産を「贈与」したことになりますので、「遺贈」を放棄すれば遺言の効力は無効となります。
 
そしてこの無効とは遺言書で受け取る対象がいなくなることになりますので、相続財産は法定相続人のものとなりますので、改めて遺産分割行儀を行うことができます。

遺言書と異なる遺産分割の注意点

上記では遺言書の内容と異なる遺産分割の方法をご紹介しましたが、次にご紹介するのは遺言書と異なる遺産分割を行う際に注意すべきことをご紹介致します。

遺言執行者がいる

遺言書に「遺言執行者」が指名されている場合、遺言書と異なる遺産分割を行う際には「遺言執行者」が同意していないと遺言書と異なった遺産分割協議は無効となってしまいます。
 
「遺言執行者」とは、相続財産の管理、執行等を行う権利義務を持っており、「遺言執行者」は遺言内容を実現することが職務となりますので、上記のような相続人全員が同意して遺言書と異なった遺産分割協議を行ったとしても遺言執行者の権利でその遺産分割協議を無効にすることができます。

遺言による遺産分割の禁止

遺産分割の禁止とは遺産の分割によって相続人同士でトラブルが起きそうだと予測される時、あるいは生じた際に遺産分割を停止する制度があり、遺言者は最大で5年以内の期間を定めることができます。
 
以上が遺言書の内容と異なった遺産分割についての方法、注意点となります。
 
遺言書と異なる遺産分割を行う際にはぜひお気をつけください。
 
また、遺言書を作成される際にはぜひご家族の方と話し合うことをおすすめ致します。
 
遺言書には「付言事項」という法的には効力はないものの家族へ向けたメッセージを記載することができるため、こちらに相続財産の使い道や遺産分割の理由等を書いて遺言者の遺志を残すことができます。
 
その為、遺言書にはぜひ「付言事項」を記載することをおすすめしておりますが、やはり文字よりも直接話した方が残される方たちには想いが伝わり、相続時でのトラブルをより防ぐことが可能となりますので一度ご家族と話し合うことをおすすめ致します。

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