相続手続きは自分で行うとこんなに面倒です

なぜ相続手続きを司法書士に依頼する人が80%以上もいるの?

亡くなられた方の遺産を相続する際に、不動産の名義を亡くなられた方から相続された方に書き換える手続きを相続登記といいます。
この相続登記を自分で行うのは簡単だというウェブサイトが増えてきました。

果たして、本当にそうでしょうか?
相続登記を受け付ける法務局で受付の状況を見ていると、相続登記を含む不動産登記を自分で申請している人は全体の一割にも満たない状況です。

つまり、本当は自分で相続登記の申請をしている人はあまり多くありません。

実際にはどこかで手続きを自分ですることをやめてしまう人もいるでしょう。
相続登記の申請の流れを説明していくことで、相続登記は自分で行ったらこんなに大変だ、ということがわかると思います。

まず相続登記を申請するためには、申請したい不動産の今の登記の状況を知る必要があります。
これは、平日昼間しか開いていない法務局という役所に行って登記事項証明書などの発行を受けなければなりません。
インターネット上で手に入れる方法もありますが、クレジットカードが必要です。

登記されている不動産の持ち主は、今回亡くなられた方の祖先だということも往々にしてあります。
前の代からの相続登記をしていないこともあるからです。
兄弟で共有していた、ということもあるかもしれませんし、昔建てられた建物ではそもそも登記がされていない、ということもあります。

亡くなられた持ち主の住所が、その不動産を取得した何十年も前の住所のままだ、ということはごく普通です。

実はこうした例に対応して申請の方法や準備する書類は違うので、相続登記は自分で行ったらこんなに大変になる、ということに申請の準備でいきなり気づく人も多いのです。

相続登記を自分で行った場合に苦戦するポイント

相続登記は自分で行ったらこんなに大変だ、ということは申請の準備の段階でさらにわかってきます。

相続登記の申請には、被相続人(亡くなった人)について、生まれてから死亡するまでのすべての戸籍の記録を集める必要があります。
相続人になる子供や兄弟についても同じです。

ところが日本の戸籍制度では、過去の戸籍の記録は本籍地があった市町村に残っているの
です。大阪で生まれて東京で結婚し、東京を本籍地にしたような人は東京の区役所からも大阪の市役所からも戸籍を取り寄せる必要があるのです。

また、いくらご両親の戸籍であっても生まれたときまでの戸籍の状況を知っている子供はそういません。
つまり、この戸籍の記録を集める作業は実際にはじめてみないと、どれだけ手間がかかるかわからないのです。
相続登記は自分で行ったらこんなに大変だ、といっても大変さがあらかじめわかっていれば対応できるかもしれませんが、たとえば、戸籍の記録が古すぎて廃棄されていたり、場合によっては隠し子が発見されたりして、さらに大変なことになるのはこの段階です。

あえて郵便で戸籍の記録を取り寄せるなどして自分で頑張る人ももちろんいますが、手数料を送金するためには郵便局で定額小為替を組んでもらう必要があり、この業務は平日昼間しか対応していないため昼間働いている人には厳しいと思います。

相続登記の申請の仕方は自分で決められる、と言ったら申請が簡単に思えますか?

このことさえも、相続登記は自分で行ったらこんなに大変なことになる、と感じさせる理由になるのです。

相続登記の方針には大きく分けて二種類あります。

一つは、相続人について民法で定められた法定相続分にしたがって、すべての不動産を共有するかたちで登記の申請をする方法です。
父親が亡くなって母と兄弟二人がいる場合、母親が二分の一、兄弟は四分の一ずつで土地も建物も共有する、という方法です。

もう一つは、相続人達が遺産分割協議(話し合い)をして、誰がどんな不動産を相続するかを決めてから登記の申請をする方法です。

この話し合い(遺産分割協議)では、上記の例で母親が不動産の全部を相続するかわりに兄弟が銀行預金を相続する、など柔軟に遺産相続の内容を決めることができるものの、相続人全員の話し合いが決まらなければ遺産分割協議はできないからです。

相続登記を自分でやろうとする場合、この話し合いの仕方を教えてくれる人もいなければ遺産分割協議の内容をちゃんとした書面にしてくれる人もいないことになってしまいます。

だからといって安易に法定相続分で相続登記をすると、その後に不動産を売るときには相続人が全員、不動産の持ち主として協力しなければ手続きができません。その相続人達が亡くなってしまえばさらに相続登記をする必要が出て、不動産の持ち分を持つ人はさらに増えてしまいます。
相続登記は自分で行ったらこんなに大変だ、ということに気づくのは実は相続登記が済んで何年も後になるのかもしれません。

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